更新日:2013年9月25日
びゅんびゅんはしってくるのだれかしら」。
保健福祉総合センターで行われる7か月児健診。そこでは、お母さんに抱えられた赤ちゃんに、絵本「はしるのだいすき」や「どこかなどこかな」を読み聞かせるブックスタートボランティアの皆さんの明るい声が聞こえてくる。
このボランティアは、7か月児健診に参加する赤ちゃんを対象に、絵本の読み聞かせを行っている。目的は「親子で本を開くときの楽しさや大切さを伝え、親子が絵本を通して温かい時間を過ごすきっかけをつくる」こと。そのために、表情豊かに読むなど、赤ちゃんに楽しいと思ってもらえるような読み方で行う。そして、二冊の絵本といっしょに読み聞かせのアドバイス集やおすすめ絵本のリストなどを贈り、親子で本を読むきっかけづくりをしているのだ。
町のブックスタートボランティアは今年で11年目を迎え、現在10人からなる。日々の仕事の傍ら、ボランティアに参加している人も多い。忙しい中でも長く続けることができる理由を、代表の澤井恭子さんは「みんな子どもが大好きなんですよ」と話す。大好きな子どもの成長のために少しでも力になりたいという想いが、ボランティアの皆さんを動かしているのだ。
お話を聞く赤ちゃんは、絵本を見つめる子もいれば、手に取ろうとする子もいるなど反応はさまざま。そして、そんな我が子を見守るご家族の表情には、共通して笑顔が広がる。
実際に参加したお母さんに感想を聞いてみると、「娘と楽しく聞きました」という声。また、あるお母さんは「絵本をいつから読んであげたらいいのかわからなかったので、この読み聞かせがよいきっかけになりました」と話し、続けて「読み方も参考になったので、もらった本を読んであげたいです」と話してくれた。
読み聞かせのタイミングをつかめない親子はたくさんいる。そんな親子の背中をそっと押してくれる。それがブックスタートボランティアの魅力だ。
参加したお母さんからも好評を得ているブックスタートボランティア。澤井さんも「親子がゆっくりと向き合い、楽しく温かい時間を持つきっかけになればうれしいですね」と話す。そして、これからの活動について聞いてみると、「親子が絵本を通してお互いの愛情、信頼を深め、より太い絆を育てるための手助けとなるようこれからも活動していきます」と力強く語ってくれた。お父さん、お母さんが持っている赤ちゃんの幸せを願う気持ち。澤井さんの言葉には、その気持ちを共有していきたいという想いがあふれている。
ブックスタートボランティアでは、随時、会員を募集しているので、興味のある人はぜひ、参加してほしい。
毎月第4金曜日
保健福祉総合センター(吉田2465)