更新日:2015年9月10日
「1番27、2番28、3番63・・・」。保健福祉総合センター2階の研修室。ドアを開けると計算問題の答え合わせをする大きな声が響く。声を出しているのは、あおば会の皆さんだ。
「高齢者に健康で生きがいのある生活を送ってほしい」という願いからできたあおば会。その願いをかなえるために行っているのが、いわゆる脳トレだ。毎週火曜日に70~90代の人が読み書き計算を基本とした簡単な学習や遊戯を、毎回笑いながら元気に行う。これが脳の活性化につながり、参加者が健康な生活を送れるというわけだ。
あおば会は、町が実施した「脳の健康教室」が前身。ただ、教室は半年で終了したため、参加者は継続して活動する環境がなくなった。そこで立ち上がったのが、教室に参加していたサポーターの皆さんだ。あおば会サポーターの内田幸雄さんは「半年で終わったら、今まで続けてきた意味がありません。成果を維持するには続けるしかない。そう思って自主的な会の立ち上げを考えました」と語る。
サポーター同士で議論を重ね、あおば会が発足。「元気な地域支援事業補助金」を教材の購入に充てるなど利用し、参加者とサポーターが一体となって、あおば会は活動を続けているのだ。
参加者の1人は、今では計算問題30問を半年前の半分の時間で解けるようになったという。日に日に能力が上がっているのを実感している。
また、脳の活性化のほかに、サポーターを含めた参加者同士の交流があることもあおば会の特徴の1つだ。活動を見ていると、参加者皆さんが互いに話しながら、和やかな雰囲気で活動している。実際に感想を聞いてみても、「来ることが楽しみなんですよ」「あおば会は生活の一部です」という声がすぐに返ってきた。
内田さんは、「ゆっくり笑いながらやっている時間が大切なんです」と話す。能力向上だけではなく、いっしょに笑い合える仲間がいる。それも、あおば会の大きな魅力だ。
読み書き計算以外にも水彩画や上毛かるたなど、学習や遊戯が多岐に渡るあおば会。ここには、「飽きさせないように常に新しいことを考えている」というサポーターの皆さんの工夫がある。そして、将来的には大きな構想を抱いている。それは、体操教室などと協力して、あおば会を大きくし、参加者の活動の幅を広げることだ。内田さんは「新しいことを考えることは、私たちにとっても脳トレになっています」と笑顔で話してくれた。また、構想実現のため、「責任をもって熱心にやってくれる」サポーターが1人でも多く必要と参加を呼びかけている。
若々しい参加者があおばなら、サポーターはあおばを照らす太陽。これからもともに輝き続けるのだ。